家庭でフリーズドライの作り方~できる・できない~温度、乾燥時間、真空度を解説します。

この記事を探し当てた方はフリーズドライの仕組みは分っているから、フリーズドライが家庭でも作成できるか?ということを早く知りたいという方でしょう。
そんなお忙しい方に、余計な解説もふっとばして、
ズバリ結論からいいます。

フリーズドライは、家庭でも作成できるか?

それは、ムリです。

検索してみると家庭でやるなら、アズワンの真空凍結乾燥器を購入すればという
案内されているブログ等もありますが
真空凍結乾燥器だけでは、作成できません。

なお、フリーズドライと、ドライフードは、ぜんぜん別物ですので、
混同しないようご理解ください。

AZONEの真空凍結乾燥器
アズワンの真空凍結乾燥器

最低でも後、3つ機器が必要です

  1. トラップと呼ばれる抜いた空気からゴミと水分を除去する装置
  2. 真空ポンプ冷却水循環装置
  3. そしてこれらの設置した部屋を冷やすエアコン(室温25度が基本)

そして、それだけ、そろえてもできる量はわずかです。

20×20の冷却皿なので、ササミでいうなら、のせて10本のるかのらないか。
できあがりは、130gくらいになるかと思います。

しかも最低でも、24時間以上はゆうにかかると思います。
この間、ポンプの音が、響き渡ります。

ちなみにこの写真のマシンだけで40万円以上!!かかる電気代まで考えたら…

研究用途ならいざしらず、ご家庭のお料理の範囲を飛び越えて、量産、普段使いを鑑みると…
結論、ムリといわざる得ません。

個人的には、これが、簡易にできれば、もっとフリーズドライの世界が
華やかになると思っているので、残念だと思います。

それでもトライする方にフリーズドライの作成のポイント

フリーズドライの作成のポイントは、
あらかじめ冷凍しといた試料を、
冷凍庫の中で、あたためて解かす。という点が最大のポイント。
まさにアクセルとブレーキを同時に踏み込むという状態です。
試料をあたためると微量に水分がでるので、それを一気に空気ごと抜き取ります。
これができる仕組みがあれば、とりあえず作れると思います。
ざっくり数字を書くと、
冷凍庫温度はマイナス30度
真空度は1000pa
温める温度は30度
かかる時間はおおよそ24時間
これをフリーズドライの進行度にあわせて、調整していきます。
もちろん、「なに」をフリーズドライにするかで、大幅にかわりますので、ご注意を。

その他、水分を含んだ排気を真空ポンプにいれるとポンプが傷むので、トラップという機械で、
水分その他の分離する必要があります。

基本:フリーズドライとはなんぞや?

あらためて、フリーズドライを解説します。まず、WIKIから参照しましょう。

フリーズドライとは、水分を含んだ食品や食品原料をマイナス30 ℃程度で急速に凍結し、さらに減圧して真空状態で水分を昇華させて乾燥させることである。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%83%89%E3%83%A9%E3%82%A4

要するに、モノから水分を抜き取る技術です。
水分を抜き取るのに、方法としては、熱をくわえて蒸発させるというのが、
至極一般的ですが、熱を加えてしまうと、
対象物が変質することが多く、再度水を与えても復元できないばかりか(復元性)、
栄養素が破壊され失われることが多いです。

そこで、偉大なる先人達が考えたのが、おもっきし冷やして、
気圧をさげて真空にして乾燥させれば、形を維持したままになるのではないか?
というものでした。

  1. 凍らしてモノは変質しにくくさせる。
  2. 真空にし収縮亀裂の変化をなくす。(酸化防止対策にも)
  3. 乾燥して昇華させる。

気圧が低いので水滴になる間もなく、水蒸気化(昇華)した瞬間、真空ポンプで吸い出してしまおうというものです。

補足用に、学研でわかりやすく説明してある資料がありますので、ご参考にしていただければ、幸いです。

https://kids.gakken.co.jp/himitsu/library132/

ペットフードを製造するのに
フリーズドライ加工にこだわる理由は…

たんぱく質が豊富なささみとうまみを閉じ込めるフリーズドライ加工

をご覧ください

国産ヒューマングレードささみ・無添加・国内加工!FOURのフリーズドライささみラインナップはこちら

どうしても自作でトライしたい場合。強者はいた…

世の中は広いもので、フリーズドライ一式を、
自作でトライされている方もいるみたいで、さすがにすごい

真空注形用に自作した簡易デシケータと真空ポンプを用意してフリーズドライ加工をトライしていますね。
SARA BLOG

SARA BLOG
SARA BLOG

結果はともあれ、こういう意気込みはすばらしいですね。
試料をもっと細くしてホカロンを下に置いて、
昇華にブーストかけたら、どうでしょうね?

ドライフードと違い、凍結・真空の工程が重要なんですよね。

それでもマシンを買ってフリーズドライ加工を自分でやりたい

なんでもかんでも、どうしても、自分で作ってみたい方は、まずここ。
凍結乾燥の扉 FreezeDryer.jp
をみてください。
ある程度、マジでやるなら、こういうもので、こういうものが必要だというのが、
わかりやすく書いてあります。

参考までに、導入には、400万~800万円はかかると思います。
エアコンがバリバリきく部屋から用意しなければならないです。そして重い!でかい!電源確保が大変!音も大きい!

機器の購入の相談なら、まずは、
三庄インダストリーがおすすめです。(私共が実際に各社の真空凍結乾燥機を調べ、問い合わせした結果です。)
真空凍結乾燥の真正面のメーカーではないですが、親切に相談にのってくれます。
価格的にも、中規模くらいから導入には、おススメです。
運がよければ、新古品に遭遇できるかもです。

フリーズVドライヤー SF-30
三庄インダストリーフリーズVドライヤー SF-30
弊社もフリーズドライ加工は自社でマシンを購入し製造していく方向も模索しました。
10~50リッターの範囲で作る完成品の量、原材料の管理、マシンを置くスペース、加工場の設計と施工、導線、廃棄物処理など…加工するための安全衛生管理…。
悩みはつきません。
素人が加工に触るのではなく…フリーズドライ加工には専門の工場に任せるべきだと判断しました。

業務用の偉大さを知った。冷凍庫に真空ポンプ…一気通貫の仕事で安全性を。

原理的には冷凍庫に真空ポンプをつけてあげれば、それらしい形にはなります。
問題は冷凍庫が内容物を冷やしているうちは、真空ポンプで空気を抜こうが
水分の蒸発がほとんどできないということです。

フリーズドライとは、当然、内容物の芯の水分まで抜かないと意味がないのですが、
いわゆるカチンコチンの氷の状態のようになったまま蒸発が進まない
つまり乾燥が(思うように)すすまない状態になります。

この点、大型の真空凍結乾燥機はトレイを微妙にあたためて、
内容物を微妙に溶かしつつ、その瞬間、水分を乾燥(昇華)させるということを
行います。原材料の状態をモニターでみつつ、コンピュータで制御します。

私どもがOEMしているフリーズドライの国内加工場を見学してまいりましたが…温度管理、衛生面、加工量、制御といい素人が手を出せるレベルではありません。
原料の受け入れから包装まで一気通貫での管理工程は目を見張るものでした。

大事なのはフリーズドライ加工さえできれば!だけではいけません。
大切な商品としてお客様に指示してもらうものですから工程管理や衛生についてしっかりしていなければならないのです。

納得の不可能さ

どうでしょう。ここまでわかってみると、もはや家庭レベルではないと
納得できたのではないでしょうか。

少し前に家庭でもフリーズドライするために冷蔵庫のような機械の普及させるべく
スタートアップしていたところがクラファンにもありました。
その後、みかけないですが、こういう流れそのものには、期待したいですね。

個人で楽しむのであれば機材買ってみるのもいいのですが…。

フリーズドライの良い点・悪い点

わかりやすい良い点・悪い点を抜粋しました。

良い点(メリット)

  1. ビタミンなどの栄養成分や風味の変化が少ない
  2. 多孔質で水や熱湯が浸入しやすいので、復元性・溶解性が良い
  3. 低水分であるため軽く、輸送性が高い
  4. 酵素や微生物の作用が抑制され、長期保存ができる
  5. 緊急時には水を加えないまま、直接喫食することも可能。

悪い点(デメリット)

  1. 他の乾燥食品技術に比べ設備投資やエネルギーコストが大きい

理論的には、フリーズドライは完璧じゃないかと思えるくらい良い点が多いのですが、
現実問題として、巨大な設備と爆発的な電力を必要とします。
これがため、おいそれと利用できないし、安くならない理由です。

FOUR-FOODS
それでも、FOUR-FOODSは、なんとか、この価格を下げるべく、立ち向かおうとしているわけですが...

さておき、軍隊の携帯食の作製方法として、研究改良されてきたという歴史もあるのですが、
時代は下り、民間で研究・活用が盛んになり、いまにいたります。

弊社も幾度も幾度も調べて、断られて…やっとの思いで国内のフリーズドライ加工工場を開拓することができました。

おまけ /ドライフードのカテゴリにフリーズドライも分類!ジャーキーと間違わないで!

ドライフードのカテゴリにはフリーズドライも含まれますがまったく違うものなのです。

熱を与えて成形し乾燥する、カリカリやジャーキーもドライフードです。
おそらく、ドライフード機器ですとどれも安価ですし、なにをつかっても、差はないかと思います。

シャーキーはまさにドライフードの中心的存在です。
お肉を買ってきて焼肉のたれをぶっかけてつくる、ビーフジャーキーはうまいんですよね。
安い肉でも、うまくなります!
高い肉は、とてもうまいです。→うまみが凝縮されます。
にんにくと、しょうがをさらに、足してつくるのが、大好きでした。

 

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ただ、調子こくと、塩分+プリン体、凝縮モードで食べまくりになってしまうので、
尿酸値も爆上がりです。痛風の方は、気をつけてください。
食べ始めると、とまりません。それほどうまいです。

ちなみに天日に干して水分をなくすのも立派な乾燥技術ですね。

まとめ:試作という手もある。

フリーズドライ商材は家庭ではつくれない!が見解でした。
安全面や衛生面も考慮してみるとハードルが高いですよね。

  • マシン購入すれば不可能ではないが、考慮すべき点が多くある。
  • 凍結・真空・乾燥工程の難しさ。
  • 安全と衛生面。

ただ、ある程度、数キログラムまとめると、
試験・試作としてフリーズドライの工場が応じてくれる場合があります。
3~4万円くらいかな。はっきりいって、すごい割高なのですが、どうしてもという方は、トライしてもいいのでは?
先の三庄さんも、試験試作やってくれたはず!

フリーズドライに興味を持った方は農林水産省のページも見てみてくださいね。
フリーズドライ食品

フリーズドライ食品の用途や特徴について教えてください。

皆様も楽しい?おいしい?フリーズドライライフを送ってくださいね!!